引越しでの移動に神経を使うもののひとつにコンピュータ(PC)があります。精密機械のため、衝撃によって故障したりデータが消失する可能性があるためです。どんなに注意を払っても払いすぎることのないコンピュータ(PC)の梱包方法についてご紹介します。
事前に業者さんが保険に加入していることを確認しておこう
コンピュータ(PC)を購入した時の状態を覚えていますか?
専用の梱包材に包まれた状態…いわゆるプロ仕様…でお手元に届いたはずです。コンピュータはそれほど取り扱いに注意が必要な精密機械なのです。
ですから、引っ越し業者さんも慎重に対応してくれますが、会社によっては「万が一の場合の補償はできません」と言われることがあるかもしれません。
コンピュータに限ったことではありませんが、引越しの途中で品物が紛失したりキズがついた時などのために、それぞれの業者さんは運送業者貨物賠償責任保険といわれる保険に加入しています。
業者探しの段階で、そうした保険への加入についてチェックしておくようにしましょう。見積り依頼の際に直接聞くか、各社のホームページでも確認することが可能です。
コンピュータ(PC)の梱包方法
コンピュータのもっとも良い梱包は、購入時の状態…いわゆるプロ仕様…に戻して移動させることです。専用の段ボールや緩衝材は、そのコンピュータ(PC)にぴったりと合わせたサイズになっているので、破損などのリスクを大きく軽減してくれます。
そうした購入時の梱包資材を保管していなければ、一般的な段ボールを使用するしかありません。できるだけPCのサイズに合った段ボールを用意し、まわりをエアクッションなどで囲み、さらに毛布などの厚手の布で覆うことですきまを無くします。すきまがあると、段ボールの中でコンピュータが移動してしまい、破損の原因となるからです。
むしろ梱包よりも運び方、積み方が重要
できるかぎりの梱包を行ったとしても、コンピュータ(PC)を乱暴に運んでしまっては元も子もありません。自分で運ぶ場合は、
- 移動には台車を使用する
- パソコンを入れた段ボールの上にモノを積まない
- トラック内での配置にも注意する
といった配慮が必要です。
また、引っ越し業者さんに積みおろしをお願いをする場合は、「パソコン」「精密機械」「注意」といった文字を大きく書いておくとともに、口頭でも伝えるようにしましょう。
データのバックアッは必須
コンピュータの引越しでもっとも怖いのは移動中の落下などによるデータの消失です。最悪、ハードは買い替えることができますが、パソコンの中に記憶されているデータは、一度消失してしまうと復活させることはかなり困難です。
そのため、引っ越しの前にコンピュータ内のデータのバックアップをとっておくことをオススメします。オススメ…というよりも「バックアップは必須」と言うべきかもしれません。
- エクセルやワードなどで作ったデータファイル
- 画像ファイル
- メール
- アドレス帳
- ブラウザに登録しているお気に入りページ
などを事前にエクスポートしておけば、万が一の場合に便利です。
Win機とMacではバックアップ法が違う
上記の項目だけでなく、コンピュータ内すべてのデータをバックアップすることも可能です。
Windows(ウィンドウズ)搭載機とMacintosh(マッキントッシュ・Mac)ではその方法が異なりますので、注意が必要です。それぞれの方法については、以下のリンク先を参照してください。
- Windows(ウィンドウズ)搭載機…PC をバックアップおよび復元する
- Mac…Mac のバックアップ
バックアップ先は3種類
バックアップするデータを一時保管するためには、それなりの容量を持った「場所」が必要となります。その「場所」として以下の3種類が考えられます。
- USBメモリ
- 外付けハードディスク
- オンラインストレージ
それぞれについて簡単に説明します。
データ量が少ないなら「USBメモリ」
最近のコンピュータは、容量が少ない場合でも200~300GBほどのデータを保持しています。
一方、市販のUSBメモリは最大容量でも128GBほどです。そのため、コンピュータすべてのバックアップ先としては不十分です。
しかし、USBメモリーにはコンピュータのUSB端子に差し込めばすぐにデータ移動が可能というメリットがあります。そのため、USBメモリは部分的なデータのバックアップに適しています。
USBメモリーの相場は、
- 8GB…500円前後~
- 16GB…700円前後~
- 32GB…1,000円前後~
- 64GB…2,000円前後~
- 128GB…4,000円前後~
という感じです。メーカーによって価格幅がありますので、Webサイトやお近くの家電量販店などでチェックしてみてください。
全データバックアップに最適の「外付けハードディスク」
コンピュータ(PC)の全データバックアップに最適なのが、外付けハードディスクです。最近は2~3TB(テラバイト=1000GB)という大容量の商品でも、1万円前後という購入しやすい値段になっています。
ネット環境が整っているなら「オンラインストレージ」
オンラインストレージは、インターネット上にデータを保管できるサービスです。多くが無料で提供されていますが、容量に制限がありますので、USBメモリ同様にコンピュータの全バックアップには適しません。また、事前登録が必要なほか、当然ながらネットに接続されていないとデータの移動はできません。
しかし、特に機器を購入する必要がなく、手軽にデータ移動ができるというメリットがあります。
代表的なオンラインストレージは以下のとおりです。数値は無料で利用できる容量です。
- Dropbox…2GB
- OneDrive…5GB
- BOX…10GB
- GoogleDrive…15GB
- MEGA…50GB
まとめ
コンピュータ(PC)の引越しにおいて重要なのは、ハード面とソフト面での対策であり、その方法は以下のとおりです。
- ハードの保護…丁寧な梱包
- ソフトの保護…事前のデータバックアップ
引越し業者さんも万全の体制で積み込みや積み下ろしをしてくれますが、絶対に壊れないとは言い切れません。最悪のことを想定し、引越し前にはコンピュータの中身(=データ)のバックアップを実施しておくことを強くオススメします。